公益社団法人 日本伝熱学会 / The Heat Transfer Society of Japan

「気候モデルにおける重要要素に関する基礎的検討と非専門家への翻訳,さらにその予測精度の評価に向けた検討会」

主査,幹事 吉田英生 (京都大学)
副主査 草野完也 (名古屋大学)
委員 江守正多 (国立環境研究所)
大西 領 (海洋研究開発機構)
桑原不二朗 (静岡大学)
富村寿夫 (熊本大学)
村田 章 (東京農工大学)
吉田篤正 (大阪府立大学)

概要:
 20世紀末から現在にかけて,大気中の二酸化炭素濃度増加を原因とする地球温暖化説の下に,その抑制をスローガンに挙げて世界およびわが国の大勢が動いている.この二酸化炭素による地球温暖化説はThe Intergovernmental Panel on Climate Changeのレポートを主な論拠にするものであり,その中心は気候モデルによる将来予測である.
 気候モデルは,太陽からのふく射をエネルギー源として,地球の海洋・大陸・大気中におけるさまざまな熱物質輸送過程をモデル化して総合した極めて複雑な数値シミュレーションコードである.機械系に軸足を置く本会の大部分の会員の研究対象と比較すると,そのスケールと複雑さの相違は著しいが,現象の各要素や素過程はまさに本会会員の専門とするところでもある.そこで,気象学者にその検討を全面的に任せるのではなく,本会会員の視点から中立的な第三者としてメスを入れ,非専門家への橋渡しをするとともに,その予測精度の評価を試みることは極めて重要であると考えられる.
 とはいっても,専門家自身にとっても困難な検討を本会員がいきなり試みることが容易でないのは明白である.さらに,そもそも気候モデルの研究を本業としていない本会会員の中で,本研究に相当な労力を割いて貢献いただける方は極めて限定されると思われる.そこで,まず学会外部の専門家にも参画いただき,また学会内部では事前にプロパーと思える方に打診して前記のような少数精鋭で進めさせていただくこととした.